ねえ、
今日が何の日か知ってる？

そう――
あの悲しい事故から、
福知山線が運転再開した日。

今よりもずっと
小さかった頃のことだけど、
まだ鮮明に覚えているわ――
好きになり始めてから、
すぐに起きた出来事だったし。

感動のあまり、
思わず泣き出しちゃって――
流石の海晴姉様も、
どうしたらいいか
困ってたみたいだったわね。

まあ、
誕生日パーティーの主役が
いきなりの号泣なんだもの、
仕方ないわよね。

でも、あの時の
海晴姉様の
オロオロした表情ったら――
今思い出しても、
おかしすぎて笑っちゃうわ、
フフフ v

あーあ、
あなたも見られたら
良かったのにね！

とにかく、
そういうわけだから――
私にとって今日という日は
色々な意味で特別なの。

だから、
あなたにも――
お祝い、してほしいな。

星花、今日は初めて
馬のレースを見ました！

やっぱりお馬さんって
とっても速いんですね、
1キロ以上の距離を
あんな、あっという間に
走っちゃうんですから――

星花はもちろんだけど、
ヒカルお姉ちゃんでも
流石に敵わないかな？
なんてね、えへへ v

でも、そんなお馬さんに
乗っている人も大変ですよね――
落ちてケガしちゃうことも
あるって聞きますし。

そう考えると、
馬に乗りながら
戦っていた、三国志の
武将の方々って
本当に凄いです！

赤兎馬――
的盧――

関羽様や劉備様は、
あれほどのスピードの中で
乱世を正すため、
武勇を奮っておられたのですね。
改めて、尊敬しちゃいます――

なので星花も、
いつかは乗ってみたい
ところですけど、
今はまだちょっと怖いかな、って。

だから、その――
やっぱり星花は
お兄ちゃんのお馬さんの方が
いいな、えへへへへへ v v

千里の道も、一歩から☆

消えてしまった、
キミの写真――

ですが、もしかしたら
立夏姉の勘違いという
可能性もありますし、
もう1度アルバムを
調べてみませんか？

やはり、家族を疑うようなことは
したくありませんし――

……

残念ですが、
やはりどのページにも
入ってないようです――

それにしても、
不思議なものですね。

こうして大磯で撮ったものを
眺めていると、
まるで今日起きたことのように
鮮明に思い出します。

もう、1ヶ月以上前の
ことだというのに――

まあ、あの旅行が
私にとって特別なもので
あった、ということも
大きな要因かもしれませんが。

また、一緒に行きたいものですね――

……

はっ、すみません、
こんなことを話している場合では
ありませんでした。

キミの写真を見つけないと――

そう、みんなの――
私の大事なメモリーを、
一刻も早く取り戻さないと。

おにいちゃん、みてみて v

えへへ、ほたに
ぼうしとむしめがねもらった！
たんてい、そらだよ!!

これでおにいちゃんの
しゃしんをとった
わ、るーいはんにんを
つかまえるんだ v

えーと、
はんにんのあしあとは――
わあ、あったあった！

これをおいかけていけば
いいんだよね？

あっ、だれかいる！
はんにんかな？

……

うーん、ちがうあしあとだったみたい。
みぞれおねえちゃんが
またつまみぐいしてたよ。

あとで、みはにいっておこうっと。

あっ、べつのあしあとはっけん！
こんどこそ、はんにんかな？

……

あらら、これもちがったみたい。
ふれでぃが
まいごになってるよ。

さあ、おうちにかえりましょうねえ？

うーん、はんにんが
ぜんぜんみつからないよ、
こまったねえ。

こんなんじゃ、
そら、めーたんていになれないよぅ――
ごめんね、おにいちゃん。

お部屋のそうじかあ――
夕凪は、あんまり
得意じゃないんだよね。

この間の
霙お姉ちゃんじゃないけど、
昔のマンガを読みなおしたり、
失くしたと思ってたおもちゃが出てきて
ついつい遊んじゃったり――

でね、星花ちゃんと吹雪ちゃんに
「もう、夕凪ちゃんってば
しょうがないんだから――」とか、
「夕凪姉、またですか――」なんて
言われながら、
みんなで頑張っておそうじするんだよ！

あ～あ、でも
掃除機が使えたらもっと楽に
終わるのになあ。

あっ、もちろん
あるにはあるんだけど、
年末の大そうじとかにしか
使っちゃダメだって、
海晴お姉ちゃんが――

「機械にばっかり頼らないで、
自分のお部屋は
自分の手でキレイにしましょう♪」って。

でも、ちょっと前までは
フツウに掃除機使ってたのに、
何で急にダメになっちゃったんだろ？

……

あっ、もしかして――
この前の大そうじの時に、
間違えて海晴お姉ちゃんの
大事にしているイヤリングを
掃除機で吸い込んじゃったこと、
まだ気にしてるのかな――

うう、また夕凪のせい?!

今から頑張って、
おそうじのマホウの
勉強もしようかな――